ロードバイクには様々なトレーニング方法があり、具体的に何をすればいいのか迷いますよね。
この記事を読むことで、自分にあったトレーニング方法を知ることができます。
トレーニングに興味がある方は参考にして下さい。
パワートレーニングの詳細を知りたい人はハンター・アレンの「パワー・トレーニング・バイブル」を参考にして下さい。
初心者向けトレーニング
ロードバイクを購入して間もない方は深く考えず、とにかく距離を乗りましょう。
乗った距離に比例して速くなり、持久力も上がります。
またロードバイクに乗るためのバランス感覚やペダリングスキルも身に付きます。
効果
方法
強度:【会話ができる強度】⇒笑顔で会話ができ、歌は歌えない強度
時間:30分以上/回
頻度:3回/週
目安距離:月間200km
詳細については次の記事参照
LSD
Long Slow Distance の 頭文字で作ったLSDトレーニングとは文字通り「長い距離」を「ゆっくり」走るトレーニングです。
パワー強度はL2で、緩いので取り組みやすいです。
効果
・持久力向上
・足や体幹などの筋力強化
・心肺機能の向上
・脂肪燃焼
方法
強度:【会話ができる強度】⇒笑顔で会話ができ、歌は歌えない強度
心拍数:60% ※カルボーネン法
パワーゾーン:L2、FTP×60%
時間:最低1時間、できれば2~3時間以上/回
頻度:3回/週
詳細については次の記事参照
テンポ走
LSDトレーニングより強度は高いですが持久力向上や筋力強化の効率が良く、必要なトレーニング時間が少なく済みます。
テンポ走は強度的にはキツすぎず緩すぎず、トレーニング効果もそこそこあり、トレーニングしたという満足度も大きい、3拍子そろった全部入り的なトレーニングです!
パワー強度はL3です。
効果
・持久力向上
・足や体幹などの筋力強化
・心肺機能の向上
・脂肪燃焼
・回復力の大幅な向上
方法
強度:会話はどうにかできるが長い言葉は無理、鼻呼吸も無理
心拍数:75% ※カルボーネン法
パワーゾーン:L3、FTP×75%~90%
時間:30分程度からおこない、慣れてきたら1時間⇒2時間
頻度:3回/週以上
詳細については次の記事参照
SST、メディオ
SSTとは「スイート・スポット・トレーニング」の略です。
スイートスポットの意味 ⇒「ゴルフのクラブやテニスのラケットなどで、ボール等を打つのに最適の個所。 最適打球点」
良く跳ね返る場所、つまり一番おいしいところです。
パワー強度はL3、L4です。
スイートスポットは赤丸で囲んだ部分になりますが、「体への負担」が低い割に「トレーニング効果」が高いことが分かりますね。
効果
・きつい強度でも維持できる時間が長くなる
・足や体幹などの筋力が強化され、巡航スピードが上がる
・レースだと集団についていけるようになる
・自分より速い人達と一緒にグループライドを楽しめれるようになる
・VO2Max(最大酸素摂取量)の向上
方法
強度:かなりキツく、会話が出来ない強度
心拍数:80%~85% ※カルボーネン法
パワーゾーン:L3~L4、FTP×88%~94%
時間:約1時間のインターバルトレーニング
①ウォーミングアップ10分
②SST、メディオの強度20分
③レスト5分
④SST、メディオの強度20分
⑤クールダウン10分
頻度:2回/週
詳細については次の記事参照
VO2max、ソリア
VO2max・ソリア」は「L5強度のインターバルトレーニング」です。
L5の強度ですが、「5分間で全力を出し切る」強度ですので非常にキツいです。
VO2maxとは体内に取り込める「最大酸素摂取量」のことで、高いほど心肺能力が高いということを表しています。
車のエンジンの排気量のようなイメージで、660ccの軽自動車より4000ccのスポーツカーの方が速く走れますよね。
⇒血漿量・遅筋・毛細血管の増加、心肺能力・VO2max・乳酸耐性の強化
効果
・Vo2max(最大酸素摂取量が)の向上⇒心肺能力が上がる
・脚力が強化され、出せるパワーが上がる
・毛細血管が増える
・FTPが向上
・無酸素運動の高強度も向上
方法
心拍数:90% ※カルボーネン法
パワーゾーン:L5、FTP×105%~120%
時間:インターバルトレーニング
【30秒ハード+30秒イージー】12~20セット
①ウォーミングアップ10分
②L5強度_30秒
③L1強度_30秒
④上記②③を12~20セット繰り返し
⑤クールダウン10分
【3分ハード+3分イージー】3セット
①ウォーミングアップ10分
②L5強度_3分
③L1強度_3分
④上記②③を3セット繰り返し
⑤クールダウン10分
頻度:1,2回/週
詳細については次の記事参照
L6_無酸素運動
自分よりスプリント力が高いライバルを登りなどでアタックを仕掛けて置き去りにする場合や、クリテリウムのコーナーの立ち上がりで後続を引き離す際に必要です。
L6_無酸素運動の強度は非常にキツいですが、レースで上位を狙う場合は必須のトレーニングになります。
酸素を使用したのではエネルギー供給が間に合わない為、無酸素運動と呼ばれています。
効果
・無酸素運動容量の大幅なUP
・アタック力の向上
・乳酸耐性の向上⇒疲労物質が蓄積されにくくなる
・速筋の強化
・勾配がキツい坂への対応能力向上
・加速力UP
方法
パワーゾーン:L6、FTP×120%~150%
【1分ハード+2分イージー】10セット
①ウォーミングアップ15分
②FTP×120%_1分
③FTP×50%_2分
④上記②③を10セット繰り返し(最低8セット)
⑤クールダウン15分
【20秒ハード+1分イージー】10セット
①ウォーミングアップ15分
②FTP×150%_20秒
③FTP×75%_1分
④上記②③を10セット繰り返し(最低8セット)
⑤クールダウン15分
頻度:1回/週、元気な時
詳細については次の記事参照
L7_神経筋パワー
ロードバイクのレースで勝負の要となる「スプリント」を強化するトレーニングです。
L6の強度がロングスプリントを含むのに対し、L7は30秒未満で全力を出し切る強度です。
L7_神経筋ですが、速筋を使う無酸素運動となり、筋肉内に貯蔵されているクレアチンリン酸と呼ばれる物質を分解してエネルギーを生み出す強度となっています。
L6の強度はグリコーゲン(糖)を分解する解糖系であるため、エネルギー供給の過程が違います。
効果
・スプリント力向上
・筋肉内に貯蔵できるクレアチンリン酸の増加
・神経筋パワーの増加
・速筋の強化
方法
パワーゾーン:とにかく全力!
【15秒ハード+15秒イージー】10分維持
①ウォーミングアップ15分
②全力15秒
③休み15秒
④上記②③を10分間繰り返し
⑤クールダウン15分
【30秒ハード+1分イージー】15セット
①ウォーミングアップ15分
②全力30秒
③休み1分
④上記②③を15セット繰り返し
⑤クールダウン15分
頻度:1回/週、元気な時
詳細については次の記事参照
タバタ式トレーニング
タバタ式トレーニングとは立命館大学の田畑泉教授が考案したトレーニングです。
特徴ですが、短時間のトレーニングで心肺能力が大幅に上がります。
しかしトレーニング時間は短いですが地獄のようなキツさです。
※高血圧の方は医者に実施可能か相談してください(脳血管疾患のリスク有り)
効果
・心肺機能UP
・VO2maxの向上
・有酸素能力向上
・無酸素能力向上
・筋力の強化
方法
パワーゾーン:VO2maxの170% ※FTP比ではないため注意
①ウォーミングアップ15分
②VO2max170%_20秒
③レスト10秒⇒短くて全然回復しませんが頑張りましょう(泣)
④上記②③を8セット繰り返し
⑤クールダウン15分
タバタ用タイマー有り、PC版 / Android版 / iPhone版
http://www.tabatatimer.com/index.php?lang=
頻度:最低週2回、多くて週3回
詳細については次の記事参照
マフェトン理論
マフェトン理論はフィリップ・マフェトンが考案した、有酸素能力をメインで向上させるトレーニング方法です。
速筋でしか出せないパワーを遅筋で出せるように鍛えるトレーニングです。
遅筋での範囲なので心拍数にも余裕があり、長時間運動し続けることが可能となります。
300km以上走るようなウルトラエンデュランスやアイアンマン等の超長距離レースに最適なトレーニングです。
効果
・脂肪燃焼効率が上がる
・血糖値が安定し、精神的にも安定する
・長時間運動できる
・継続した努力でエアロビック(有酸素)範囲でアネロビック(無酸素)レベルまで向上できる
・筋肉、骨格、循環器系、内分泌系などえを整える
・故障明けのトレーニングとしても有効
方法
心拍数を負荷の目安として180公式を使用します。
180から自分の年齢を差し引き、次のA~Dの項目で自分に当てはまる状況の数字を計算に加えます。
自分に当てはまる状況
A:病気にかかっている(心臓病・手術)、治ったばかりや投薬中
⇒「180-年齢-10」
B:ケガをした、パフォーマンス低下中、風邪をよくひく、あるいはアレルギーあり
⇒「180-年齢-5」
C:過去2年において、あまり問題なくうまくトレーニングできている。あるいは風邪を年に1、2回程度しかひかない
⇒「180-年齢」
D:2年以上問題なく、うまくトレーニングできている。ケガもせず、パフォーマンスも向上している
⇒「180-年齢+5」
計算した心拍数は絶対に超えないようにして下さい
期間中は全てのトレーニングをエアロビック(有酸素)範囲内の心拍数でおこないます。
期間は最低2カ月、通常3、4ヶ月、全く運動経験が無かった人は10ヶ月以上必要になります。
この期間は絶対にアネロビック(無酸素)トレーニングをしてはいけません。
①ウォーミングアップ15分
②エアロビック(有酸素)範囲内の心拍数でトレーニング
③クールダウン15分
詳細については次の記事参照
CARSON
「CARSON」とは「TrainerRoad」で作成されたSST(スイートスポットトレーニング)の一種です。
「CARSON」は5~7分ごとに2分の休憩がある為、挫折せずに継続しやすいSSTトレーニングとして人気上昇中です。
ZWIFTでおこなうことをおススメします。
項目最後の関連記事「CARSON」ではZWIFT用のカスタムワークアウトをダウンロードできます。
効果
・きつい強度でも維持できる時間が長くなる
・足や体幹などの筋力が強化され、巡航スピードが上がる
・レースだと集団についていけるようになる
・自分より速い人達と一緒にグループライドを楽しめれるようになる
・VO2Max(最大酸素摂取量)の向上
方法
5種類あるのですが、代表的な方法を1つ紹介します。
他のパターンを知りたい方は項目最後の関連記事「CARSON」を参考にして下さい。
「CARSON+2」1時間30分
①ウォーミングアップ15分
②FTP×88%_5分⇒2分レスト
③FTP×94%_6分⇒2分レスト
④FTP×88%_7分⇒2分レスト
⑤FTP×94%_5分⇒2分レスト
⑥FTP×88%_6分⇒2分レスト
⑦FTP×94%_7分⇒2分レスト
⑧FTP×88%_5分⇒2分レスト
⑨FTP×94%_6分⇒2分レスト
⑩FTP×88%_7分
⑪クールダウン⇒5分
詳細については次の記事参照
Rattlesnake
「Rattlesnake」とはTrainerRoadで作成されたVO2maxトレーニングです。
VO2max向上のトレーニングは色々ありますが、どれもかなりキツいです。
ですが、「Rattlesnake」はVO2max向上のトレーニングの割には比較的完遂しやすい強度となっています。
セット始めのFTP140%1分で体が高強度モードになり、そのおかげ30秒-15秒が継続しやすい感じがします。
ZWIFTでおこなうことをおススメします。
項目最後の関連記事「Rattlesnake」ではZWIFT用のカスタムワークアウトをダウンロードできます。
効果
・Vo2max(最大酸素摂取量が)の向上⇒心肺能力が上がる
・脚力が強化され、出せるパワーが上がる
・毛細血管が増える
・FTPが向上
・無酸素運動の高強度も向上
方法
5種類あるのですが、代表的な方法を1つ紹介します。
FTP強度に関してはかなり細かい設定になっているので、ZWIFTでおこなうことをおススメします。
各セットの始めの1分はFTP140%で、30秒のメインは120%⇒110%まで徐々に下がっていき、30秒の後には15秒のレストがあります。
3セットを基本として、セット数を増減した4バージョンがあります。
他バージョンについて知りたい方は項目最後の関連記事「Rattlesnake」を参考にして下さい。
「Rattlesnake」1時間
詳細については次の記事参照
まとめ
自分に合うトレーニングは見つかりましたか?
トレーニング方法は調べると多くあるので悩みますよね。
ですがまず目標を立て、その目標を達成するために必要な項目を考えると何をすればいいか検討がつくと思います。
トレーニング時間や強度、向上する能力がそれぞれ違いますので、自分に合ったトレーニングを探しましょう。
またトレーニング効果を可視化できる心拍計やパワーメータを使用すれば、もっと楽しくトレーニングできますよ。
おススメの心拍計・パワーメーターについては次の記事を参考にして下さい。
・持久力向上
・バランス感覚、ペダルスキル向上
・脂肪燃焼
・体幹が鍛えられる